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雨の街の想い出  (雨の街を 荒井由美) [学生時代]

雨の街を 歩く

 


私は、たくさんの雨の街を歩いた。

小さい時は
母に抱かれ、
しばらく後は手を引かれ
ある時は
父の大きな傘の下で
歩いた。

高校時代は
洋裁学校と
カトリック教会がある通りを

大学時代は
黄色い絨毯のようないちょう並木を

歩いた。

結婚してからは
車に乗る機会が増えた。

子供が生まれてからは
仕事に子育てに忙しく
どの道を歩いたか
覚えていないことが多い。

だが、未だに思い出すのは
浪人中に東京の私立大学の入学試験を受け
春雨が降る中
合格発表を
見に行った時だ。

山手線の駅を下車し
大学通りを
傘をさし
心臓の鼓動にあわせて
進んだ。

ふと、荒井由美の曲が耳の奥から囁くように流れた。
曲が刻む音と心臓の鼓動が同期する中を
私は歩き続けた。

空は、
あの曲にあるとおり
本当にミルク色のようだった。
この大学に合格できれば、その後の人生をなんとか生きていけるような気がした。
どこまでも遠いところに歩いて行けそうな気がした。

レンガ校舎の間を進み、私は、畳10枚くらいの大きなベニヤ板の掲示板を恐る恐る下から眺めた。

私の受験番号が、最初の合格者番号だった。

私にとって、それは最初の賭けだった。
確かに、私は最初の賭けには勝ち、
前触れなく現れたあの人は、いつになくうれしそうだった。

3月末の最後の受験校に合格する賭けに勝てば、あの人を迎えに行くつもりだったが、それはかなわなかった。

だが、
今、振り返って
私に、
あの人に
ちょっとした想い出をプレゼントするという
ほんの少しの
心のゆとりがあったなら
すべてが成就できたような気がして

この晩秋の
雨の街を
歩む
自分がここに居る。

 


荒井由美 雨の街を

http://www.youtube.com/watch?v=RFweRnj1nGs
http://www.youtube.com/watch?v=YPsM3-meIVU


タグ:受験 東京
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