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詩集を読んだ想い出 [詩]

詩集を読んだ想い出


それは
誰にでもあることで
私にも起こるべくして起きた


生まれて初めての
挫折を味わい
私は
戸惑った


唯一、自分にできたこと
それは
時が過ぎるのを待ち
時が来るまでの間
詩集を読むことだった


あるときは図書館
あるときは喫茶店

詩集を読んだ


それから
幾度となく
春が訪れ
花が咲き
木の葉は色づき
冬の夜空にオリオンは瞬いた


詩の中にあった青春

それは今
書棚の奥で
長い眠りから醒めようとしている

タグ:青春 詩集
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嵯峨信之  小さな灯 [詩]

私の好きな詩人、嵯峨信之の詩を一つ紹介させていただく。

「小さな灯」という詩である。


一人一人の人生は
出会いの中で育まれ、向かい合い
肩を並べて歩んでいるように見えても
いずれは
離れ離れとなり
遠い光になって、消えていく

嵯峨信之得意のモチーフである。

人生は孤独に始まり孤独に終わる
そんな孤独の輪廻を描いている


が、その一つ一つの孤独にも
ぬくもりや微笑みの痕跡がある
と詩人は言いたいのであろう。


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小さな灯


人間というものは
なにか過ぎさつていくものではないか
対いあつていても
刻々に離れていることが感じられる

眼をつむると
遠い星のひかりのようになつかしい

その言葉も その微笑も
なぜかはるかな彼方からくる
二人は肩をならべて歩いている

だが明日はもうどちらかがこの世にいない

だれもかれも孤独のなかから出てきて
ひと知れず孤独のなかへ帰ってゆく

また一つ小さな灯が消えた

それをいま誰も知らない

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幸福の糸を紡ぐ人 [詩]

好きになった人が結婚相手にふさわしいか
ふと考えることがあった。

私は、何人かの女性を好きにはなったものの
結婚してうまくいくと思えた人は僅かだった。

その理由の大半が自分にあった。
ちょっとしたことなのだが、
無理して乗り越えるのが
ある女性とのことがきっかけで
面倒になってしまった。

たとえば、ある好印象の女性がいたとして
やがて
とげとげしいものの言い方、
仲間内で自慢げに話す癖などから
寄り付きにくくなる女性がいる。

容姿的には、嫌いではないのだが
私は
その人に
幸福を紡ぐ心を見いだせなくなった。

悲しいことだが
時が経てばたつほど
頑張ろうという気がなくなってしまうのだ。

確かに、
この人だと決めていた時期はあった。
相手もそう思っていた。
何気ない素振りからそうわかるのだ。

しかし
再会後も
その昔と同様、振り回す癖は治らず
ついに、心が折れてしまった。

その人とは幸福の糸を紡ぐことは
永遠に無理であると


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春の日の午後の想い出 [詩]

ある春の日の午後
百メールほど先を歩いていた人に
遠い昔に見た
シルエットを見つけた

私は、その姿を追いかけた

その人は信号機の所で左に曲がり
かなりの速足で駅に向かった

駅の区画に入ったところで
ゆったりした歩きぶりに変わった

後ろ姿
上半身の姿勢
腕の振り
視線
歩幅
スカートの丈
から
忘れ得ぬ人であることを確信した

私は、その昔したように
追い越し
その人が
券売機で特急券を買い
汽車に乗るのを見送った

そして想い出が一つ残った


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登下校の想い出 [詩]

初冬のある日
あの通りを歩いた

その通りは
幼いときは母に手を引かれ
歩んだ道だった

高校時代になって
その通りを歩き
なぜか気持ちの安らぎを覚えたのは
そのせいだった

その通りを過ぎたところ、右手信号の向こう側に警察署が見えた
左には税務署があった

遥か数十年前の
雪降る朝
私はあの信号で待たされ
何度も遅刻しそうになった

すると
通り左の方から
紺色の学生鞄を右手に下げ
首をやや右に傾げ
コバルトブルーのコートを着た
人が歩いていった

信号のところで交差点を眺め
一瞬何かを確認し
右に曲がっていった

そんな冬が3年間続いた

私は交差点に立つ自分を見つけた
信号が変わり
歩き出す自分が見えた

私は自分を追いかけた……


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