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雪景色 雪の華    [詩]

雪景色 雪の華

故郷の街が
例年どおり初雪を迎えたことを知った

ほどなく根雪となり
正月には、故郷の街は雪景色に染まる


雪景色には、さまざまの時間がある

雪景色が美しかった午後
ある悲しい出来事が
私とあの人に起きた

私には前に進む勇気がなかった
あの人はただただ泣くだけだった

それから
なおも
雪の日が続き
気温が下がれば下がるほど
雪原は
何物も寄せ付けない
幻想に包まれた

私には
あたり一帯が
魔法にかかったように
時が進むのをやめたように見えた


雪景色には、さまざまの姿がある

私が愛した
白い毛皮のコートを羽織った
あの人は
凍り付いた雪原に
ただ一人
舞う華のようであり
その微笑み、その眼には
あの時のままの
涼しげな光が
宿っていた

たぶん、私が
悲しませるようなことしかできず
やむを得ず
雪化粧することで時を止めようとしたのであろう


雪景色には、さまざまの願いがある

私は
悔恨の時を過ごし
雪原の中をあてもなく
訪ね歩き
絶望の中で
故郷に残る
雪の華に聞いた

すると
遠くで鈴の音が鳴り響き
歌声が聞こえた

その声は
恥じらいがない
真水の如く
ひんやりとすきとおり
それでいて
真摯で温かった

その声は
果たせなかった約束の言葉を
いつかきっと
届けんばかりに
雪原の空に
こだまし続けた

私は、深い眠りから覚め
雪原に埋め込まれた時計の針は
再び
動き始めた

雪の華 Hayley Westenra


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